動脈硬化から怖い病気へ、原因と予防法
少しずつ血管が蝕まれ、血栓ができる |
動脈硬化には細動脈硬化、中膜硬化、粥状硬化の3種類がありますが、粥状硬化は虚血性心疾患や脳梗塞の原因となるため最も注意が必要です。動脈硬化といえば通常はこの粥状硬化のことを指します。
@細動脈硬化……脳や腎臓の中の細い動脈が硬化して壁が厚くなり、血液が滞るものです。
A中膜硬化……太い動脈の中膜にカルシウムがたまって硬くなるものです。
B粥状硬化……動脈、脳動脈、冠動脈など比較的太い動脈の内膜に、コレステロールなどの脂肪が粥状になって付着し、動脈を狭くするもので、アテローム硬化ともいいます。
なお、アテロームというのは血管の内膜にたまった脂質と、それを貪り食うマクロファージという白血球の残骸が作ったドロドロとした塊のことです。
動脈硬化は中高年の病気と思われがちですが、初期の病変は子供時代から見られます。子供の頃から血管の内膜にたまったコレステロールなどの脂肪沈着は、20年、30年の歳月をかけて血管の内側に盛り上がってきます。
そのため血管は50〜60代になると狭くなり、血流に無理が生じます。内幕を覆っている内皮細胞がところどころで壊れて、血の塊ができます。これが血栓です。
大きな血栓によって血管が詰まると、急性心筋梗塞などの発作が起こり、そこではじめて自覚症状を経験することになります。ある日突然のように見えますが、まさに20〜30年におよぶ「サイレントキラー」のしわざなのです。
動脈硬化が引き起こす5つの病気 |
動脈硬化は全身で起こりますが、起こる場所によってさまざまな病気を引き起こします。
●脳卒中
脳梗塞や脳出血など、脳の血管障害による病気を総称して脳卒中といいます。
脳出血は、動脈硬化によってもろくなった血管が破けて出血する状態です。また、動脈硬化により脳の血管が細くなり、完全にふさがってしまうのが脳梗塞です。
●虚血性心疾患
狭心症と心筋梗塞のことをいいます。狭心症は、運動すると胸の痛みや息苦しさを感じる症状で、冠動脈に動脈硬化が起こり、心臓の血流量が減るために起こります。
また、心筋梗塞はアテロームが破れて冠動脈が血栓で完全に詰まった状態になる病気です。
●大動脈瘤
胸部や腹部の大動脈がもろくなり、血圧に耐えられなくなって外に向かってコブのように膨れたものをいいます。破裂すると大出血して死亡することもあります。
●腎硬化症
腎臓の中の細い動脈が硬化し、腎機能が衰える病気です。夜間、頻尿になり、色の薄い尿がたくさんでます。
●閉塞性動脈硬化症
動脈硬化が足に起こり、足の冷えやしびれ、痛みなどの症状が出るもので、放置すると足が壊死することもあります。
動脈硬化を引き起こす5つの危険因子 |
動脈硬化はいろいろな危険因子が重なって悪化します。中でも、高血圧、高脂血症、喫煙は粥状硬化に重要な因子となります。危険因子は相互に影響しあい、相乗効果をもちます。
●高血圧
血管に強い圧力がかかると、血管を傷つけます。また、動脈硬化が起こってからも、血管が狭くなるため高血圧が促進します。細い動脈だけでなく太い動脈の硬化も促進します。
●高脂血症
総コレステロール、LDL(悪玉)コレステロール、中性脂肪などが増えると、血管にたまり、粥状硬化を起こします。またHDL(善玉)コレステロールが減っても動脈硬化を促進します。総コレステロール220mg/dl以上、LDLコレステロール140mg/dl以上は要注意です。
●喫煙
喫煙は総コレステロール値、LDLコレステロール値を高め、HDLコレステロール値を下げます。狭心症、心筋梗塞、脳梗塞、閉塞性動脈硬化症の発症を促す強力因子です。
●糖尿病
血液中にブドウ糖が多くなるとLDLコレステロールが酸化され、動脈硬化が促進されます。糖尿病患者は高血圧、高脂血症を合併しやすいので、その点でも危険因子です。
●肥満
過食と運動不足から生ずる肥満は、高血圧、高脂血症、高尿酸血症、糖尿病の原因となり、その結果動脈硬化の原因となります。
動脈硬化の予防9つの対策 |
心臓病や脳卒中につながる動脈硬化の予防法は、上記の5つの危険因子を取り除くための生活習慣を心がけることです。
食事は過食を避けて「腹八分目」を心がけます。
また、食事内容は次のように、高血圧、高脂血症にならない食材と調理法を心がけます。
| @塩分を控えめにする A肉類の脂身、魚類の卵、バターなどを控えめにし、青みの魚を多くとる B砂糖や果物類をとり過ぎない C野菜を多くとる D大豆製品を多くとる E食物繊維を多くとる |
次に、食事以外の生活習慣で気をつけることです。
| F肥満の予防と解消のために運動をする Gタバコをやめる。間接喫煙を避ける H過度のストレスを避け、または軽減させる |